2021年12月10日

河田耀さん(平成28年度卒)を紹介します!

今回紹介するのは河田耀(ひかる)さん(平成28年度卒)!

河田さんは中高一貫の18期生として本校を卒業後は、

大阪大学の外国語学部に進み、現在4年生です!

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今回、河田さんに登場してもらうことにしたのは

海外留学の体験を語ってもらいたかったから!

しかも河田さんが専攻しているのはなかなかレアな

スウェーデン語!もちろん留学先もスウェーデンです。

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以下、スウェーデンの写真はフリー素材を使用


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日本からは飛行機で約11時間と、はるか遠くにある

北欧の国で河田さんがどんな経験をしてきたのか……

それでは河田さんに寄稿してもらった内容を

お読みください!〆(゚▽゚*)

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①本校を卒業してから今に至るまでの経緯を教えてください。

2017年3月に中高一貫コースを卒業した私は、大阪大学外国語学部外国語学科スウェーデン語専攻に進学しました。
私がこの自己紹介をすると、決まって「スウェーデン語…?何で??というかそんな言語あるんだ」という反応を頂きます(笑)

そんなマイナー言語であるスウェーデン語を私が専攻したいと思ったきっかけは、テレビで見た「幸せの国スウェーデン」という言葉が始まりです。
聞けばこの国、教育費は無料、子どもの医療費も無料、貯金しなくても老後は気ままに暮らせるといった充実した福祉制度に、超透明な民主主義体制まで整っている。でもその代わり税金がべらぼうに高いという、日本とは全く違った社会の姿に魅了されました。
同時に、本当にスウェーデンの人々は皆幸せなのか、税金が高すぎることに不満はないのかという疑問も抱き、そして当時の私は言語が分かればそれらの疑問を解消できるのではないか、実際にスウェーデンに暮らす人々の考えが分かるのではないかと思って、日本で唯一スウェーデン語を専攻できる大阪大学外国語学部を目指すことにしました。

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大学入学後は、勉強の傍ら飲食店でのアルバイトやサークルでのボランティア活動など、中学高校時代に経験できなかったことへと没頭していました。そして3年次に大学を1年間休学し、念願だったスウェーデンへの留学を実現させることができました。
新型コロナウイルスの蔓延によってスウェーデンも多大な影響を受け、残念ながら八か月での帰国となってしまいましたが、その八か月間は今までの人生で最も刺激的で忘れられない時間となりました。
そして帰国後は、スウェーデン留学で磨いた語学力を駆使しながら、スウェーデンの障がい者福祉支援をテーマに卒業論文を執筆することに勤しんでいます。


②大学で勉強している内容を教えてください。

私が所属するスウェーデン語専攻では、1・2年次に週5コマの専攻語の授業を受けることで基礎的な語学力を磨いていきます。そして言語の習得と同時に、文化、歴史、社会といったあらゆる側面からスウェーデンという国を理解するための授業を2年次から履修することができます。単に語学だけを学ぶのではなく、スウェーデンの様々な学術的知識を得られるという点で、私にとっては最高の学習環境だと感じています。
さらに、大阪大学外国語学部では25の専攻語の他にも、多数のマイナーな言語を学ぶことも可能です。(私はこの夏フィンランド語を取りました)

3年次からは、社会、言語、歴史、文学の四つのゼミナールの中で、自分が最も関心のある分野を選び、卒業論文執筆に向けた自身の研究を進めていきます。私は社会ゼミを選択し、以前から関心を持っていた障がい者への福祉支援について学びを深めました。また、より福祉についての知識を深めたいという思いから、大学の他学部の講義を受講するプログラムにも参加しました。


③留学についての思い出、学んだことなどを教えてください。

私の留学生活を一言で表すならば、「他人の人生を歩んでいるような八か月間」が一番しっくりきます。とにかく毎日が新しいことや驚きで溢れ、今でも夢だったんじゃないかと思うくらいです(笑)

私の留学は一般的な大学や語学学校へのものではなく、現地の人々が通う国民高等学校(フォルクフーグスコーラ)という成人教育機関への留学でした。
国民高等学校は、何か新しい技能を身につけたい人や、高校にあまり通うことができず勉強をやり直したい人、移民としてスウェーデンへやって来て語学を学ぶ人など、とにかく様々な人が学ぶことができる自由度の高い学校です。私は大学や語学学校ではなく、あえてこの国民高等学校を選びました。それは、スウェーデン語を学ぶきっかけでもあった、現地の人々の暮らしや考えを実際にその環境に身を置いて知りたいと考えていたためです。

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スウェーデンの伝統料理。内容は日本でいうハンバーグ、
リンゴンベリージャム、マッシュポテト、バターソース


留学中は、「とにかくやってみる」というスタンスで怒涛の毎日を過ごしました。大学を休学しての留学だったので、留学先の学校とのやり取りやビザの取得、寮の交渉や航空券の手配など、すべて自分一人で行わなければなりませんでした(もちろんスウェーデン語で!)。

そしてスウェーデン人しかいない、言うまでもなく日本語は通じない環境に、たった一人身を置くこととなりました。初めは周囲の人たちが何を言っているのかよくわからなかったですし、日本とは異なる文化の中で生活していくのがやっとでした。しかし、心優しいクラスメートたちや先生に恵まれたおかげで、日に日にスウェーデンという国に慣れることができ、結果としてとても充実した八か月間を過ごすことができました。

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先生の家に招かれた時の写真です


ちなみに学校では服飾コースに通い、洋裁やデザイン、繊維などについて学んでいました。もともとそのような知識があったかと言えば、まったくそんなことはなく(笑) ど素人の状態でスウェーデンに行き、いきなり服のパターンを描いたり、ミシンを使って衣服を縫ったりといった授業をスウェーデン語で受けていました。
今思えばよくそんな未知の世界に(しかも二つ同時に)身を投じたなと思いますが、これもいい思い出です。帰国時には自分の寸法で作ったコートやシャツ、スカートなどをスーツケースに詰めて持ち帰り、今でも時々着ています。

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自作のコート。現在も頻繁に着ているとのこと


スウェーデン留学を通して学んだことはたくさんありますが、今後の人生に活きると思うのは「世界は広い」ということと、「当たり前と思っている価値観にとらわれない」という考え方です。

たった八か月間異国の地に一人で暮らすという経験であっても、嫌というほど自分の無力さや知らないことの多さを実感しました。しかし、その経験をしたからこそ、より成長したい、新しいことを学びたいという思いを持つことの大切さを学ぶことができました。

また、様々な人との交流を通して、自分が正しい・当たり前だと思っていることもほんの一握りの考え方に過ぎないということを感じました。他に目を向けてみれば、自分のものよりももっと合理的な考えもあるし、それを選択するかしないかは自分次第なのだと、慣れ親しんだ日本を離れて初めて気付くことができました。複数の選択肢を知った上で自分に合ったものを選択できるって本当に幸せなことだと思います。だからこそ、今後も色々なものに目を向け、自分の選択肢を増やしていけるような生き方をしていきたいです。

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コペンハーゲンでの研修にて


④今後の夢や目標などを教えてください。

「常に目標や目的を持って成長し続ける」存在でありたいと思っています。そしてそれが、自分だけでなく社会や周囲の人々のためになるものであるよう願っています。来年から新社会人として働くこととなっています。今までは多くの人たちから支えていただくだけの存在でしたが、今後は自分自身の働きで誰かを支えられるように、それに必要な努力をし続けられる人間であることを目標としたいです。


⑤後輩たちに何かメッセージをお願いします。

たった二十年と少しの経験内で語るのはおこがましいのですが、私が今までやってきてよかったと思うことをご紹介します。

⑴自分で考えて自分で選択すること

人生の中で、人は大なり小なり選択をする機会が山のようにあります。その中でも、「自分」のことに関しては自分で決める癖をつけたほうが、より人生が豊かになると思います。例えば私の場合、留学に行くことも、あえて外国人の全くいない環境を選択したのも自分です。寒く暗い冬の時期、心が折れそうになったこともありましたが、それでも全く後悔していないのは、自分が強く望み、選んだことだからです。
誰かに決められたことや、あまり深く考えずに何となく決めたことって、長続きしなかったり後悔したりすることが多いのではないかと思います。でも、自分の人生は自分のもので、たった一回しかありません。その貴重な人生を、自分の選択の中で生きた方が幸せではないでしょうか。中学・高校生の皆さんは勉強や部活、進路のことについて悩むこともあるかと思います。思う存分悩んでください。きっと自分で悩みに悩んだのち選択した方が、あなたにとってより満足度の高い人生となると思います。

⑵失敗を恐れないこと

私は言語を学んでいますが、言語の習得に失敗は欠かせません。間違った語法や発音を失敗によって自覚するからこそ、正しい使い方を習得できます。
人間が失敗するのは当然です。その失敗から学ぶことってたくさんあるはずです。失敗が怖いからと何の行動にも出ない人は、きっと成功することも、新たな学びを得ることもできません。そして、失敗するなら若ければ若いほどいいですよね。だってその先がより長くなるんですから。中学・高校生のうちに失敗しても、それを正してくれる人やカバーしてくれる人が周りにたくさんいます。しかし、大人になるとそれをしてくれる人は少ないです。だから、もし今何か挑戦してみたいことがあればどんどんやってみてください。きっと周りの人たちはあなたをサポートしてくれますし、あなた自身も何かしらの収穫があるはずです。
一度きりの人生、やりたいことをやり切ってみることも人生を豊かにするエッセンスだと思います。


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河田さん、ありがとうございました! (´▽`*)

コロナ禍で期間が短くなったのは残念でしたが、

本当に素晴らしい体験をしてきたんですね☆

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スウェーデン北端のルーレオの街の風景。
実はこれ、凍った海の上だとか!Σ(・ω・)

 

現在まだまだ世界中でコロナは猛威を振るっており、

広い世界に羽ばたきたい!という夢を持っている

若者たちには何かと厳しい風が吹いているのですが、

でもそんな中だからこそ夢を諦めないで欲しいと思い、

大学卒業に向けレポート作成などで忙しい中、

河田さんには無理を言って登場してもらいました。

 

なお、河田さんはすでに個人年金や終身保険などを

主に扱う企業への就職を決めているそうなのですが、

これも福祉国家であるスウェーデンについて学ぶ中で

ますます高齢化問題が深刻になっていく日本社会に

貢献できるような仕事がしたいと考えたからだとか。

 

留学で学んだことがしっかりいきていて素敵ですね☆

春から始まる社会人生活、がんばってください!

今後のますますのご活躍を応援しています!(^^)/



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